日記まがい

変わったことがあれば書きます

アルバイト・ハイ

大学の近くに引っ越してから、しばらくバイトをしていなかったのだが、いろいろ考えてもう一度はじめることにした。

前のバイト先は、通勤する道のりに坂道が多く、距離も遠かったため、自分のシフトが近づくたびに気分が暗くなっていた。

今度は自宅の近くで働こうと思って、徒歩10分のところにあるファミレスに応募した。

そこから、応募〜面接までに一週間ぐらいかかったり、広告には「1ヶ月程度働ける人募集」みたいなことが書いてあったのに「1ヶ月じゃあ雇えない」みたいなことを言われて「おや?」とは思ったりしたものの、今さら他のバイト先を探すのも面倒だったので、言われた通りにエントリーシートを書き直して、この度採用の運びとなった。

 

はじめての飲食店でのバイトで、いくつか失敗も繰り返しながらここ数日働いてみて、気づいたことは、「割に合わない」ということであった。

勝手な想像で、忙しくて覚えるべきことの多いバイトほど高収入が見込めると思っていたのだが、全然そんなことはなく、コンビニでレジを打っていた頃の80倍(主観)ぐらい慌ただしいのにもかかわらず、時給はほぼ等価である。

これまで生きてきて、なぜ気づかなかったのか分からないが、飲食店の接客の複雑さといったら途方もない。これと比べればコンビニバイトなど接客業のうちに入らない。

席に案内して、ルールを説明して、料理を届けて、ビールを注いで、食器を片付けて、レジを打って……。これらを分業もせずこなしている。そのうちいくつかデザートも作るようになるそうだ。マトモじゃない。

 

まだ何も分かっていない私ともう一人だけでシフトを組まれている時があったが、めちゃくちゃたくさん客が来てバイトリーダーを呪った。

鉄板で火傷したり、ソースでベトベトになったりした手を休める暇もなく、皿を運んでは残飯をゴミ箱に流し込み、パフェの容器を磨きながら次に帰る客を探す。二時間で一生分動き回る。

そんなことにもお構いなく客がバイトを喫煙席に呼びつけては、「ボタン押してるのに店員がこないのはどういうことだ」と説教を始めたりする。客がたくさん来ているからに決まっている。お前のせいでお前のような目にあう奴がつぎからつぎへと生まれている。どこに行っても喫煙者はバイトの敵だ。

求められる仕事の質も量も、他のバイトの比ではない。1000円/hぐらいではとても受け入れられない。離職率もひどいだろう、と思ったらバックヤードに「七年間お世話になりました」の置き手紙があった。なんで?

 

ベテランの証である金色のネクタイを首にぶら下げている、ここでよくそんな肉体が維持できるものだと思うような丸々とした先輩店員が、脂ぎった笑顔で、フレンドリーに「そのうち慣れるよ」と言う。

ここは、転職先として選ぶべきところではなかったのだ。いきなりここに飛び込んでいれば、もっと効率良く洗脳されただろうに、夜勤なんぞで働いていたばっかりに……。