集中力

音楽を聴いていたつもりなのに、はっと気づいた時にはもうアウトロで、どんな曲だったか何にも覚えてないことがある。

授業の途中まで一生懸命ノートをとっていたはずが、いつの間にか、何もせずにぼーっとしていることに気づく。

最近特にそういうことが多い。

流行っている曲の歌詞ぐらい覚えようかな、とか、テスト前になって焦りたくないし、ちゃんと授業聞いておこう、とか、やろうと思ってやってるはずなのに、なかなかうまくいかない。

一つのことへの集中力が続かなくなってきた。

もしかしたら、そういうことを心の底からやりたいとは思っていないせいではないかと思った。

ゲームとか、友達との雑談とか、そういうときにはあんまり集中力が尽きない。

あるいは、「集中しよう」という意識がある時点で、集中なんてできないものなのかもしれない。

思い返せば、そんなことを考えて集中できたためしがない気もする。

そんなことに気づいて、なんになるというのか。

やりたいことだけやればいいのか、といえば、絶対にそんなことはない。

風呂場で少し歌でも口ずさもうと思って歌いだすのだが、細かい部分の歌詞や音程が分からなくてうまく歌えずにもやもやする。

だから覚えようとするのだが、途中で気がそれてしまってなかなか覚えられない。

私は、歌うことが好きだからといっても、歌うために歌詞や音程を覚えるのが好きなわけではない。

集中力がないせいで、やりたいことすらできなくなる。

目標をかなえるための努力ならば、まったく苦にならないと言う人がいるが、それって本当なのだろうか。

苦労が好きなだけなのではないだろうか。

もしくは、部活や習い事などによって、ほかの人と悩みを共有したり、半強制的に努力をさせられる状況にいて、体が努力から逃げにくくなっているのではないだろうか。

本当に目標に向かうための努力が苦にならない人もいるのだろうが、どうにも信じられない。

世の中は広くて、完全に独学で作曲だとか絵だとかをこなせるようになる人もいるらしい。

その人が見ている景色って、どんな色してるんだろう。

絵が得意な人が体験する、描きたいものが見つからない苦しみや、頭の中にあるものをそのまま出力できる喜びを、線すらロクに引けない私はかけらも味わえない。

絵がうまい人って、どうやって上手くなったんですか？

寝て起きたら上手くなってる方法でもあれば、もっと高い次元で悩めるのにな。