ハタチ

時計の針が12時ちょうどを指した瞬間、私は法的に満20歳になった。

日本は20歳以上をふつう「成人」と呼んで、酒やタバコを許したりする国である。20をひとつの区切りとする感覚は、少なからず私にもある。

ただ、20歳になったら何かをしようという意識は、これまでずっとなかったし、（年齢を基準に何かをやるということは）これからもそんなにないと思う。

1日前の自分は今日の自分の1歳年下だと考えると、なんだか違和感があるし、昨日まで「子供」とみなされて許されなかったことを、今日になって突然やるというのも変なことのように感じる。

最年少優勝みたいなニュースが流れて、自分よりも大きく年の若い人が注目を集めているのをよく見かける。単純に年下の人間を指す範囲が増えているからだろうなとも思うが、自分との違いをまざまざと見せつけられる。

そういうようなこともあって老い方に個人差があることは最近特に実感しているし、誰かが始めたのと同じタイミングで何かをはじめることに、そんなに意味はないな。という主義。

私がそうしたいと思った瞬間にそれを始める良さみたいなものを大事にしていこうと思う。

単純な興味で今まで食べたことのないものを食べるとか、運動不足を実感してスポーツを始めるとか、結局年相応になったりするかもしれないが、その基準は「〇〇歳だから」じゃなくて、「やりたいから」でありたい。

23歳と35日目に突然酒を飲み始めたり、35歳と1日目にギャンブルをしてみたり、偶然40歳ちょうどに山登りを始めたりするかもしれない。その方が楽しそうな気がする。

たぶん、18とかでこっそり飲んで平気な顔をしてる人もいるのだろうし、成人したうえで飲み過ぎて倒れる人もいるのだから、顔も知らない法律家から、「飲んでもいいよ」と言われたからって、結局は自分の体と相談しながらするものなんだろうな。

何事も経験かなと思ってコンビニに行ってみたのだけど、なんだか気分が乗らなくて結局弁当だけ買って帰った。

明日はどうしようかな。結局飲まない気もする。

まあいいや。飲みたい時に飲もう。